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これが私にとっての。
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(リーフレタスとスイスチャード、青じそなど葉物と雑草が混在するウチの畑)

…自然農。



自然農と言う言葉を初めて聞いたのはいつのことだろうか。
5年前、小諸で市民農園を借りて野菜作りを始めたのだが
おいしい野菜を作りたいということから、持ち前の好奇心で調べたのが始まり。
新規就農の研修に行ったり、色々な本を読んだりしながら、
形を模索していったのだが、最終的に「自然農」と言う言葉にたどり着く。

難しいことはない、と思う。
有機農業が今のスタンダートだとしたら、そこから一歩踏み出せばいい。

自然農の一般的な解釈を私なりにまとめると「耕さず、草を生やし、草とその周りに
自生する虫の亡骸による積み重ねにより土ができ、いずれそこに野菜ができるのを
手助けすること」による農業で、如何にして環境に付加をかけず自然にやるかということで、
云わば、里山を人間がギリギリのラインで管理しながら維持するようなことと同じだと思う。

私の自然農は少しだけ違う。
そんな自然の環境云々などと言う大それたものではなく、
自分にとって最も自然にできるのが自然農だと最近感じている。

正規の自然農的には雑草はもっときちんと刈るだろうし、
ここまで荒れさせないから、これはきちんと勉強した人から見れば
ダメということかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
傍目など、誰に笑われようと気にしない。
It's O.K! これでいいのさ。

パン屋をやってるから時間もないし、庭先の畑の管理もロクにできない。
撒いた種がいつの間にか芽を出し、知らぬ間に実をつける。
できるかできないかもわからないし、草ボーボーで畑と草むらの区別も本人しかわからない。

時々時間があれば草をむしり、むしった草をそこに置き、
自然農らしきことをしたり、気まぐれで毛虫を退治したりする。
草も時々刈ったり、まぁ生活のリズムで適当に自然にやる。

時々野菜が採れる。それが私にとって自然農。
自分に無理することなく、適当に採れて、おいしい。
いいなぁと思う。

産業的な農業には向かない手法だとは思うが、
無理のない範囲で適当にやる。もっとも自然だと思うがどうだろう?

例えば家の横に牧場があって、堆肥を使うことが自然なことならば
それも自然農でいいと思う。身近なものでできることだけやるのが、一番自然に思う。
誰かにやり方を教わって、そのやり方をその誰かとは全く違った場所で、
違う人間が同じようにやるのは不自然だと思うが、どうだろう。

そんな中で収穫する野菜。
虫が付いた形跡もなく、まったくもって立派である。
農薬って、有機って、生産って、農業って、生きるって何だろうかと、今日も思う。

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有機農業を手放しで素晴らしい農業だという風潮に関しては、私は基本的に否定的で、
さして特別なものでも、素晴らしいことでもないと思っている。

そんなことを言いながらウチのパンの原材料がオーガニック(有機)だったりで
矛盾だと言われるかもしれないけど、有機農業に手放しで賛同して崇めているわけでなく
有機農業を志して、農業をする人に魅力を感じて、ただそこにおいしいがあるから
それだけで使っている。

有機の野菜がおいしいのではなく、有機を志して作っている人の野菜がおいしいのが多いと
いうだけであって、有機=おいしいわけでは決してない。

そこに心があって、一生懸命があって、科学があって
様々なことがおいしいを作るらしい。

とりあえずウチの使っている材料は、普通に作られているものより
はるかにおいしい。

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パン屋をやって、マルシェに出店して、たくさんの人と出会って
本当に面白くてたまらないと感じる瞬間は「人」。

色んな方向を見て、色々なことをしている人から話を聞いて
様々な見識、モノの見方を見聞きするうちに自分の中のバランス感覚が研ぎ澄まされていく。

色々な人間が世の中にはいて、ある人から見て良いものも
ある人から見れば対してよくも無いものだったり、
また同じ方向を見つつも、やり方は全く違ったり、
同じことに志を持ってもここまで違う人生を歩むのか。

毎日勉強ばかりでためになる。
今日もメモメモ。心にメモする。
面白いなぁ。。

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自分はパン屋だけれども、農業には並々ならぬ興味があって
すぐ人の畑を見に行ったり、聞いてみたりしたくなる。
皆それぞれの思いでそれぞれのやり方で作っていて面白くて仕方ない。
情熱とか色んなものを受けて、いいエネルギーに満たされる。

食とは関係のない職業であった時、
私の悩みは、いつも「生きるために必須ではない仕事についている自分」であり、
芸術や文化は生きる余裕のある人にのみ与えられた楽しみで、
戦争などで生きるためにしかお金をかけられる余裕がなくなった時、
真っ先に切られることによる不安でいつも脅かされたことであった。

だから生きるために必須な事柄=食に関しては並々ならぬ関心があり、
そういった職業についた今、心の平安は保たれたのだけど、
2次加工ではなく1次生産の現場である農業には今も興味が尽きない。

農家さんにはこれからも勉強に出かけます。
すぐ畑を見学させてくださいって言いますけど、迷惑がらずに見せてくださいね。
好奇心剝きだしでうっとうしいですけど、スイマセン。
どうしてそうなったのか、どうして畑をやり始めたか、
どうやってこれからやるのか、聞きたくて知りたくてしょうがないのです。

食いしん坊で食いしん坊で、
おいしいもの作ってる現場、知りたくてタマリマセン。

と、いうことで農業に関するとりとめのないアレコレでしたっ。
軽井沢のマルシェに出店して、色々な農家さんとお話して色々考えてたことまとめました。
マルシェの様子はまた次回に紹介しますね^^。
by wazawazapan | 2010-06-28 09:14 | パン屋のたわいもない話


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