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生焼けの徹底回避
講釈たれる前にパンをちゃんと焼けと生焼けパンを売ってしまった友人からお達しが。
スイマセン、ホントスイマセン。もう謝るだけです。

生焼けパンの教訓から焼成率の算出に躍起になっている。毎回焼けたパンを計る。
計測している内に面白いことがわかってきた。
多分、一般的に言われている焼成率より軒並み低い。未だ計測中だが、バゲット、ベーグルを除けば10%前後のモノが多い。

その昔、食に何の興味もない仲のよいママ友から「添加物が入っているから何なのか知らないけど、市販のパンは柔らかい。パン屋のパンは買った翌日もう硬くなる。せめて買った翌日やわらかいパンを作ってくれ」と言われたことがある。
このキーワードはパンが主食でない日本人全ての叫びであり、ウチのパンはハード系だからとか添加物が入っていないから硬くなるんですといった言い訳はいらない、と思ったきっかけであった。

まず硬くならない=水分量が多いだと考えた。パンは翌日乾燥して固くなる。粉・塩・酵母・水の4点セットで硬くならないためには、単純に水分を増やせばいい。好きなパン屋のカンパーニュをスライスすると断面に艶々したみずみずしい気泡がある、当時の自分のパンにはこれがなかった、これを作ろう。

で、水をどんどん増やした。70、75,80,85,90,100,120%、パンとしてはとても有り得ない量まで増やしていく。捏ねられないから混ぜるだけ。当時は本も見ることもなく、実験、実験!という感じ。
それで出来上がったパンが今のロデブの原型で、新種のパン作ったと大騒ぎしたものだが、本を見たらロデブって名前で既にあるし。これを売りたいっていう原型だったパン=ロデブについてはいずれまた。

それで、色々試した結果、全てのパンにおいて通常よりレシピの水分量が多い、だから必然的に焼成率も高くなる。

焼き方もそれに加担している。
私のハード系パンの理想は薄く焼き締められた皮の中にしっとりとした内層。包丁でスッとカットしてしてしまえば噛むのも造作ないやわらかいパンなのだ。但し皮はしっかりと焼きこむ。水分を蒸発させないため、香ばしさを出すため。が、厚い皮は避けたい、歯切れが悪くなるから。

そうすると、高温で短時間焼成ということになる。低温で長時間焼いてしまうと内部にしっかりと火は通るがぱさついて皮も厚くなる。短時間、高温というのがキーワード。

すると、生焼けである。かの、生焼けである。
このギリギリラインの判断が難しい。だから焼成率を測ることにした。そしたら、水分量の多い特徴に今更ながら気付かされた。やっぱりデータはいい。データを取ると初心に返る。

焼成率、ケイゾクで計測中。感覚を確かな数値に変換することが今やるべきこと。
by wazawazapan | 2009-05-04 09:07 | パン考


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