カテゴリ:パン考( 42 )
ご飯みたいなカンパーニュにハマル
あの旅行以来、ご飯みたいなカンパーニュにはまっている。
こないだ起こしたルヴァン酵母、前回まで使っていたルヴァン酵母より風味が強い。
というのも、ルヴァン酵母の生まれたては香りが強く、継いでいるうちに香りや風味が薄くなって
食べやすい雑味のないパンが焼けるようになるのだが、今はこの風味が気に入っている。
早いスパンで継いでいくと風味が飛んでいくので、中くらいのペースで継いで風味を残しつつ
薄れさせつつ、酵母の加減を楽しんでいる。

それで、ご飯みたいなカンパーニュなのだが、以前より今現在、ちょっと風味が強め。
時間を置くとウチのパンにはなかった酸味も若干出てくるし、好き嫌いが出てくるかもしれない。
だが、この焼き締められた皮の香ばしさと内層のコクがたまらなくて、最近よく焼く。

旅行のとき1kg弱のこのカンパを2つ持っていった。
カットしていくから段々とパンの断面から乾燥していってパサついてくるし、旅行中だから焼き戻すことも
できないのだが、薄くスライスして固めのチーズをのせたり、かみ締めながら食べたりすると
このスルメ感というか、しゃぶっていると味が出てくるというか、何かパンの食べ方のオタク度が
増してしまった。遂にパン社会の人々の境地にきたか!というか、フランスとかヨーロッパの家庭で
でっかいカンパを買ってちょっとづつ食べていくそういう文化の人たちの気持ちになれたような感じ。

家族もそんな感じで、時間が経つとパサツキが気になるとかそういう問題は問題でなくなり。
時間の経過と共に変わるパンの味を、焼きたてと混同しないで、違う食べ方で楽しんだり、
結局、食べ方や楽しみ方を知らなかっただけだったね、と話している。
[PR]
by wazawazapan | 2009-08-24 08:18 | パン考
酵母再考
一段落ついたらやりたかったことの一つ。
酵母を変えたかった。

今まではルヴァン酵母と甘酒酵母をメインに食パンやバゲットには微量のイーストという
パターンでパンを焼いてきた。自家製酵母はパンの種類によってルヴァンと甘酒で
やりくりしていたのだが、もっとパン合わせの酵母を作ってみたいと思っていた。

半年この酵母と付き合った結果、結局、小麦と水から起こした酵母が一番シンプルで好きだなぁと。
(甘酒酵母の強さと甘さは好きだったけど)、何がよいかって、パンが小麦と水、塩からできてるって
最も原始的で感動的で、こういうので美味しかったら最高で、毎日食べたいパンっていうのは
やっぱりそういうのだなぁと。

やってみたかったのはカンパーニュにはもっとカンパよりの酵母、
バゲットにはバゲットより、酵母の種類は1種類でいいから繋ぎの方法で変化をつけたかった。
ルヴァン酵母を基本にして、そこからライ麦とか全粒とかERとか粉の種類や水分量で
酵母を調整していくようにしたいと思う。

町屋館も一段落ついたし、最近のヘビーなパン焼きで酵母も疲れきった感があったので、
思い切って世代交代、今、新しいルヴァン酵母を起こしている。
今のところかなり調子がよくて、発酵力が強そうなので楽しみなのだが、そういうわけで
今停車場ガーデンに納品するパンは微量イーストと焼き菓子中心になってます。
カンパ系は少しお休みしてます、スイマセン。

色々、お待たせしてしまっていますが、やっぱり現時点で頭にあるものを全部吐き出して、
現時点で一番美味しいのをお届けしたいので、勝手ですがやらせて下さい、宜しくお願いします。
[PR]
by wazawazapan | 2009-07-28 21:47 | パン考
粉の話
こだわってと言うか、自然に、粉を国産のモノを使用している。
昔、パン作りを初めた時、ネットで片っ端から粉を注文して焼きまくった。
パン作りを始めるずっと前からパン好きでこうゆうパンを自分で焼いてみたいという
イメージは持っていたので、それにたどり着くまで粉を変え、変わる食感、味、香りに驚き、
パン作りにどんどんはまっていったのをよく覚えている。

結局、たんぱく質の含有量と粉の挽き方だと思うのだが、
以前話したポストハーベストの話は置いておいて)、ただ膨らましただけのパンは好きではないのだ。
外産の小麦はたんぱく質の含有量が高く、上にボリュームが出てふんわりとした食感になるケースが多かった。国産はそれが低いので、自然とどっしりとした腰の据わったパンになりやすかった。
そして、それが好きだった。
粉も精製度が低く、ふすまが少し混じっているくらいの方がいい。真っ白な粉は時々晴の日に。
手に持ったずっしり感、強い小麦の風味、パンがパンだと主張する、そんな感じ。

灰分の高さもポイントで灰分の高い小麦の方が風味があり、好みだったし、
色も黄みがかっていたり灰色がかっていたり自然で好きだった。
その風味の強さはお菓子屋さんやパン屋さんで敬遠されるケースが多く、バターの風味や
他の内容物の味を損ねるので、もっと白くて精製度の高い粉の方が好まれるらしい。
こういったマイナス面は価格的に安価になりやすく、大量に焼く場合とても助かった。

現在、北海道の江別製粉の粉をメインに使っている。
TYPE ERを中心に香麦、キタノカオリ、全粒粉、ライ麦粉、クーヘン。
それぞれに特徴があるのでパンによって組み合わせてうまい具合にするのが楽しい。

最近、ご縁があって、近所の小麦農家さんと知り合うことができた。
この土地でパン屋をやろうと思ったときにまず思ったのが地元産の小麦だったけど、
こうやってご縁があって出会えるとは何と幸運なことか。
早速、来年度の小麦からテストさせていただくことになった。

こうやって繋がれる人と人の糸、最近、本当に恵まれていて感謝が絶えない。
ほんとに皆さん、ありがとうございます!
[PR]
by wazawazapan | 2009-07-16 07:58 | パン考
理想のバゲットができるまで2 - 塩のこと -
あの失態から、もう40日も経ってしまった。もちろん、ブログに書かなくてもバゲットは焼き続けているわけで、小さな小さな変化を日々続けている。

お気づきの方もいるだろうが、このブログに少し前「ライフログ」というやつをくっつけた。
少しスキンをいじったりしつつ、自分のパン作りの大きな力になっている本を紹介している。
興味のある方は下の方にスクロールしてご覧下さい、と言ってもたった3冊ですが。
パン作りは以前に別ブログで話したように、一人でこつこつとやってただけで
勢いでパン屋になったクチで。図書館で本を借りまくっていたのだが、本当に気に入って購入して
今も繰り返し読んでいるのはこの3冊。

そして、「バゲットの技術」。
風呂の中で眺めていたら、気付いたことがあった。
それは、塩の分量、だった。

うちのパンは一般的なパン屋に比べて全般的に塩の量が少ない。
自宅の味が基本薄味なのか、外の食べ物が濃いのかわからないのだが、
自分には外のパンや食事の塩気が目立ってきつくて嫌になることが多い。
食卓塩のような塩化ナトリウムの塊を食べさせられるとしょっぱすぎて凹む。
食事パンにおいての塩味というのはたったものではなく、
小麦の味を引き立たせるための塩加減でいい。

だから塩は最低限の使用量で、そして、塩気の立たない丸みのある味の塩で。
「パンのこつの科学」を読んでもわかるように、塩の働きはただ単純に塩気をつけるという意味合い
だけでなく、グルテンを引き締めて生地に腰をつけて扱いやすくするといった働きもある。
もちろん知っていたし、その腰をつけるギリギリの塩を添加していたつもりであった。

しかしそれでも、圧倒的に塩の量が少ない。
わかっていたし、パンに必要以上の塩気がついているのが自分は嫌だったから、
これ以上の塩はいいと思っていたのだが、あまりの他店との相違にもしかしたらの気がして
塩の分量を上げてみる。

ウチのバゲット、塩の分量1.4%
他はほとんど2.1%以上

製パンにおいてこの数値の違いはかなりデカイ。

それでまずは1.6%にしてみた。

腰が上がる。焼いたときに明らかに上に持ち上がった。
パンチを入れるときも生地の腰のつき方がよく、あきらかに扱いやすくなる。
味覚で感じる塩気もほとんど差異がない。これはいい。

次、1.8%。
バゲット生地を作るときは必ず生の生地を食べるのだが、塩気が明らかにキツイ。
なんか嫌な予感がしつつ続行。生地は物凄く扱いやすい。明らかに塩が効いている気が。
成形もダレずなんか楽。これなら水分量も上げられそう、80%オーバー全然イケル気がする。
塩気はギリギリここまでかな、2%行くのは味的にちょっと無理そう。

ということで今は1.6~1.8%バゲット。
その他に変えて調子のいいことがあるのだがこれはまた次回。
[PR]
by wazawazapan | 2009-06-30 19:05 | パン考
変えたら楽になったこと
ほんの少しの小さなことだけど、気の持ちようを変えたら急激に楽になった。
夏が始まったかのような連日の暑さとパン作りの関係について、最近よく考えていた。

ドダイ、冬と夏と一緒のパンを作ろうという考え方に無理があるんだ。

大手のベーカリーで室温、水温、発酵温度全てを管理しているような場合は可能だろう。
でも、そんな工場で作ったようなパンが本当に美味しいのだろうか。
わずかな味のブレを見つけて四苦八苦するよりも、もっと自由にパンを作ろう。
夏には夏のやり方が、冬には冬のやり方が。そんな柔軟なパン作りをしよう。

いつも同じが本当にいいのか、今日のパンはこんな風にできましたでいいのか(不味いのはダメね)、
いかにも人間が作ったような感じのパンでいいのか、今はまだよくわからない。

今日、やめたこと。水の計量をいい加減にしてきっちり計るのをやめた。
大体計って後は生地に聞くことにしたら、時間はかかったけど、何か生地の出来上がりがよかった。
ノートと話しちゃダメだな、生地と話さないと。

明日はわざわざの日。おいしいパン、ご用意してお待ちしております。
千葉からとうもろこしが届きました。早速コーンブレッド仕込みました。
家のハーブが元気です。ハーブオリーブにハーブ増量しました。
シンプルなカンパーニュつくりました。定番に仲間入りです。
[PR]
by wazawazapan | 2009-06-26 15:04 | パン考
夏のパン焼きと捏ね上げ温度
明日のシャバを最後に角食しばらくお休みします。
気温の関係で角食の品質が保てません。9月以降に暑さと相談して復活させたいと思います。
山食を来週から定番にします。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解を宜しくお願い致します。

以下は1週間前に書いたTEXT。
この時はまだ角食をお休みしようとは思っていなかった。
負けた、暑さに負けたぁ。。

----------------------------------------------------------------------------

やっぱり長時間発酵は低温に限る。
最近、気温が高くなってきて捏ね機を使う食パン系の生地が不安定になりやすい。
手捏ねで仕込むハード系の生地は具合を見れるのでやっぱり作りやすい。
うちでは8割くらいのパンを手捏ねで仕込んでいる。

仕込み水などを冷やして対応しても、捏ね機のモーターが熱くなって捏ね上げ温度が
高くなりすぎ、何度も生地をダメにした。(ダメ生地はピザなど他のものになる・・)
家庭の製パンでは何種類もの生地を同時に作るというシチュエーションがあまりないため、
気が回っていたのだが、色んなことを同時進行で仕込んでいるとつい忘れる、
おっちょこちょいのダメパン屋。

一旦、捏ね上げ温度が上がりすぎてしまうとどうしようもないのだが、(30℃超えたらもう
どうしようもない、27~9度とかでもあがりすぎに感じる。ちょっと冷たいくらいがいい)
少し生地の温度が高いと感じたときは冷蔵庫で少し生地を冷やしてからまた室温におく。
生地の温度が上がるとどうも粉の甘味がでないというか、焼きあがった時はさほど違いは
感じないが、日が経ってからの変化が如実に違う。
一旦生地の温度が上がってしまったパンは経過すると、酸味の出るのが早く味が劣化する。
ってあれ、ここまで書いて前にも書いたような気がしてきた・・。

だから最近、ほとんどのパン生地を冷蔵発酵に切り替えた。
捏ね上げ温度が低ければ室温で少し生地を置いて、高めだと即冷蔵庫へ直行。
冷蔵庫がパンパンになってしまい、たくさんの生地を同時に仕込めないのだが、
今、自分が売り切れる量と釣り合っているのでちょうどいい。

最近つくづく、パン作りのベストシーズンは冬だなと低温長時間発酵のパン屋は思う。
冬はよかったなぁ・・・遠い目。
[PR]
by wazawazapan | 2009-06-22 22:48 | パン考
食が一番大切だと叫ぶことの意味。
年を重ねて行く度、刹那的な何かに憧れることが全くなくなった。
平凡や普通、地味、そんな風に生きたいと思う。
パン屋になってパンのことばかり考えるようになったけど、
やりたいことがたくさんありすぎて時間が足りないもの事実である。

だから、とにかく長生きしたい。

病院に縛られながら生かされたという長生きではなく、足腰が丈夫で矍鑠とした老人になりたい。
あの辺のことはとりあえずあの人に聞けばわかるというような、ババアというか。
やりたいことを片っ端からやっていったら寿命が尽きたというような。100でも自転車みたいな。
かっこ悪くていいから、生にしがみついて生き抜いてやろうと思っている。
(夫が先に死ぬと辛いので、夫にはもっと長生きして欲しいが、どうだろう。)

だから、とにかく食事と生活を大事にしたいと思っている。

体は普段の食や生活から作られ、その全てが自己責任である。必ず自身に原因がある。
毎日の積み重ねで自分が作られていくことに最近、やっと気付いた。
無理はしない、やれることから順番こにやる、よーし、今日もパン焼くぞ。
[PR]
by wazawazapan | 2009-05-28 15:29 | パン考
理想のバゲットができるまで - 3つの手法で焼き比べ1 -
今日はドキュメンタリースタイルで。
さて、何を作ってるんでしょうか。

バゲット仕込んでました、20:00現在Cが失敗の模様です。
今日は気温が高く放置しすぎました。
とりあえず焼きますが、思った効果でなさそうです。
この結果踏まえて、次回もう一回やってみます。と焼く前に撃沈の模様です。
焼けたらまた報告します。


2009/05/20 9:00      15:00       18:30        21:00     

A 粉 200g            1回目パンチ    2回目パンチ               
  塩 3g (1.5%)                   (その後冷蔵発酵)
  水 150g (75%)
  元種 50g (25%)
  イースト 0.2g (0.1%)

B 粉 150g            粉 50g      1回目パンチ    2回目パンチ          
  水 120g            水 30g     (その後冷蔵)
  元種 50g            塩 3g  
  イースト 0.2g  

C 粉 50g             粉 150g      失敗か?      1回目パンチ
  水 150g            塩  3g                   (その後冷蔵)
  元種 50g
  イースト 0.2g

D 粉 200g            1回目パンチ    2回目パンチ  
  水 150g                        (その後冷蔵発酵)
  (30分後以下入れる)  
  元種 50g
  イースト 0.2g
  塩 3g


2日目入りました。生地の調子は微妙。。
とりあえず焼きますが、来週もう一回やります。
水種法初めてで適当に仕込みすぎ。昨日本読んだのでもレシピ変えてもう一回。

何をやりたいかと言うと、ウチのバゲットのレシピを固定させたいのです。
実は毎週微妙に製法が違ってってこれだっていうのができず、きっちり試作してみたかった。
中種法に決まりかなと思いつつ、他のと比較してみたかった。

変なバゲット焼けても写真は必ず載せますね、あ~焼く前から恥ずかしい。


2009/05/21  9:00        10:00      11:50

A 通常       成形前ベンチ   成形2次発酵  焼成

B 中種法     成形前ベンチ   成形2次発酵  焼成
   
C 水種法     成形前ベンチ   成形2次発酵  焼成

D オートリーズ法 成形前ベンチ   成形2次発酵  焼成 


f0203920_15532165.jpg

左からA,B,C,D。粉の配合は全く同じなのに、作り方でかなり差が出ている。同時にオーブンで焼いているので、焼き色の加減が違うのは発酵の違いでこうなってしまった。やはり一時発酵がうまくいっていない。AとBは過発酵気味で焼き色がつかない。
全て250g、40cmで成形しているのだが、ボリュームが全く違うところが面白い。
Cは水種の作り方でヘマしているので、全く問題外。酸味が出てしまい、ボリュームも出ていない。
もう全然ダメなんだけど、一応カットしてみよう。



f0203920_1684861.jpg

生き地獄ですな。自分で勝手にやっておいてアホなんですけど。
でもやってみて少しわかったことはAが一番まとまっているってどういうこと!なんだろう。自分の予想ではBの中種法が一番ボリュームが出て見た目重視になるだろうと。Dのオートリーズが気泡が一番入ると思っていたが、Bのボリュームは出たが、気泡はAが一番バランスよく入ってる。

が、しかし、このテストはまず生地がうまく出来ていないので本当のところわからない。来週もう一回やらせてください、宿題に。その時ちゃんとレポートできるようにしたいです。

味は正直言うと、全部微妙。Cは論外、完全に失敗。一時発酵の失敗が原因。



皆さん、コレ見てバゲット作る場合、反面教師として参考にして下さい。こうすると失敗しますというレポートでした。。。あぁぁ、、つくづく、アホだなぁ。。恥ずかしい、、穴があったら入りたい。。

このバゲット完成までの道のり、シリーズ化します。もう出来るまで徹底的にやってやるぅ。
お気づきかと思いますが、そうなんです、私、物凄く、しつこいんです。
[PR]
by wazawazapan | 2009-05-21 16:44 | パン考
石釜、思慕。
やりたいことがありすぎて、片っ端から手をつけて同時進行するから、全部中途半端になっている。
パンの試作もしたいし、サイトの更新も、ブログも、庭も、店の準備も、掃除も、家事も、裁縫も、
色々・・・・何でもかんでも。

だ、の、に!石釜が欲しくて仕方ない。
焼けたパンを見る度、これをあいつで焼いたらどうなるんだろうという妄想が止まらない。

去年の冬、3年がかりで設計していた新居が完成したのだが、
その時点でパン屋をやることが決定していたため、石釜を作るという設計案もあったのだった。
当時、家庭のオーブンで焼いていたため、業務用のガス釜になるだけでかなり嬉しかったし、
具合を見てから石釜を考えようということで、石釜プランは立ち消えたわけで。

もう、作っちゃおうかな、と思っている。
小屋と一緒に作っちゃおうかな、と思っている。
毎日のように外溝いじっているので、ついでに作っちゃおうかな。
ようは石積みゃいいんでしょ。石積めば!

石釜に憧れるわけは無数にあるのだが、一番やってみたいと思うのは遠赤外線の効果での焼成だ。
火をたき、石床を暖めてからパンを入れて焼くのだが、石に蓄熱された輻射熱と遠赤外線の効果で
パンの内部から火が入っていくらしい。

そんなことを言われると、もしかしたら理想のカンパーニュに近づけるのではないかとドキドキしてくる。
焼いた翌日、香ばしい薄皮をガリガリッとスライスすると、
中からきめ細かいずっしりしっとりとした内層が。皮は香ばしく、中身はしっとりやわらかい。
わずかに舌先に感じられる酸味とフルーツの甘味。あぁワインくれ。っていう理想のカンパーニュ。

チクショウ、石釜、欲しいなぁ。
[PR]
by wazawazapan | 2009-05-18 09:08 | パン考
バゲット合わせ
おしゃべりである。
人に話したいことがたくさんあるのに、中々友人を見つけられない人間である。
大抵は夫に、少しだけの友人に話すのだが、パンのことなど話す相手もない。
だから書くと湯水のようにしゃべり出すのである。

何のパンを作るのが一番楽しいかと聞かれたら、迷わずバゲットと答える。
店の時、大体粉量で20種類10キロ分ほどのパンを仕込むのだが、始めのうちは工程管理が難しく
スムーズに仕込み・発酵・成形・焼成を完了することができなかった。
特に難しいのが2次発酵から焼成のパートで、パン達が勝手に自分の想像と違う発酵をしていくので、
一度に焼成のタイミングが来てしまい、結局ベストの発酵具合でオーブンに入れることができずダメパンを量産した。今は大分慣れ、発酵時間を見ながら冷蔵庫や発酵器に入れたりしながらご機嫌伺いしてできるようになってきたのだが。

そして、そんな時はバゲットを優先していた。リッチなパンは多少の差し引きを許してくれるのに対し、バゲット、こいつは厳しいやつだ。数分の間違えも許さない。ベストの生地、ベストの発酵、ベストの焼成、ベストの中のベスト!じゃないとこの人、満足しない。うまく焼けない。

うちのパンを焼くとき、この人だけの言うことは全部いいなり。他のパンをこの人に合わせる。
通称バゲット合わせと言う。バゲット合わせにすると工程がうまく回ってくるから面白い。

バゲットをオーブンの中に入れた後は必ずオーブン前に張り付いてしまう。念仏を連呼しながらバゲットの焼成をする。大体バゲットは朝7時くらいに焼いているのだが、家族も起床してくると、ただならぬ緊張に包まれた厨房の雰囲気を察し、そこは異様な雰囲気になる。
そして、「弾けろ、はじけろ、ナンマイダー!」このフレーズ家族全員で連呼です、アホ家族。
その後、うまく焼けると娘がバゲットを天にかざし、バゲットを突き上げバゲット踊りを舞う、そして食べて何事もなかったように一日が始まる。

話はそれたが、とにかく、バゲットを焼くのが一番好きだし、緊張する。オーブンから出てくる時が一番楽しくてがっかりしたり、一喜一憂する。パン屋としての満足感がある程度得られるのは満足するバゲットを焼ける日が来た時かもしれない。いつの日かはわからないが、その日がとても楽しみだ。


さて、明日のバゲットの様子、見に来ませんか?
ダメパンにして店頭に並んでないなんてこと無いようがんばります。
明日はわざわざの日です、天気があまりよくないようですね。寒いみたいです。
でもいつもどおり仕込みました。久々の大量余し、やってしまうのか、どうなのか。
皆さんとお会いできること楽しみにしております!
[PR]
by wazawazapan | 2009-05-15 15:49 | パン考