私の楽しみ
こないだ夫の実家で、お母さんに「デスクライトはある?」と聞きました。
ないねぇ、何故?の声に「本を読みたいから。じゃあ懐中電灯でいいや。」という会話を
横で聞いた夫が「寝なさい!目が悪くなるよ!」とまるで子供を叱るように言いました。

懐中電灯と鬼平を手に娘の眠る布団へ潜り込もうとしていた私の背中に、
いい加減にしなさいと夫の声が覆いかぶさってきます。
だって、そうするとよく眠れるんだもん!と布団の中にグリグリもぐって、
懐中電灯をつける間もなく深い眠りに落ちました。

本格的に読書が好きになったのは、遠い遠い昔、小学生の頃の話です。
図書室で見つけた明智小五郎と小林少年の黄金仮面シリーズに夢中になりました。
とりあえずシリーズを読破することを目標に始めた読書でしたが、
全てを読み終えた頃、江戸川乱歩の他の作品を読みたくなり、その様子を見た父が
江戸川乱歩なんて"エドガー・ア・ランポー"の名前をもじってつけた名前だぞと言うので、
おちょくられてるのかなと図書館を探すと、本当にエドガー・ア・ランポーが存在して
借りて読み進めると少し小学生には難解で、その横の怪盗ルパンシリーズのモーリス・ルブラン、
シャーロックホームズのコナンドイルなどを夢中で読んでいきました。

中学生になるとアガサ・クリスティーなどの早川文庫の本を片っ端から読みました。
その内段々、殺人事件に飽きてきて、ミステリにはパターンがあるので大体犯人が
冒頭でわかっちゃうんですね。それでエンターテイメントなミステリから離れていき、
同じクラスの子が読んでいた吉川英治の三国志を横目にウチにもあったなと読む内、
夢中になりました。全8巻の分厚い本を、忘れもしません、中2のうちに6回繰り返し
読んだので、当時は武将の名前などほぼ暗記していて、世界史で三国時代が3行くらいで
スルーされるとかなりムカムカしたのを覚えています。

その後は、ひたすら純文学ですが、お気づきでしょうが私の場合、
全巻読破と執拗なほど粘着質のある読書姿勢が基本のため、読んでいる数はかなり少ないです。
気に入った作者をエンドレスで掘りますので、実はとても読んでる数が少ないです。
一般的な読書家の人よりもかなり幅が狭く、まさに集中豪雨的読書と思われます。

よく覚えていることがあります。
高校生の頃、英語の授業中に武者小路実篤の"友情"を読んでいるのが見つかってしまい、
コラっお前何読んでんだ!と先生の怒声が聞こえてきた瞬間に、本が取り上げられました。
あっという間の出来事で目をつぶってしまい、恐る恐る上を向くと、
先生がにっこり微笑んでいて、拍子抜けしてしまいました。
「俺も学生の頃にこの本は読んだぞ、面白いよな。俺の授業より面白いだろう。
読んでいいぞ。」と許可をくれたのです。机の下で遠慮がちに読み始めると、
「机の上で堂々と読め!それはいい本だ!」と言われ、授業中に机の上で全く関係のない
小説を読むという物凄い展開を味わったことがあります。あの先生、元気かな。
あんな風に期待を裏切られたのは初めてのことでした。嬉しかったなぁ。
(まぁその本の内容は、男2人が女1人を取り合う話なんですがね…)

その後、本格ミステリにまた傾倒していったり、実用本しか読まなくなったり、
読書のどの字も忘れてしまったり、色んな時期がありましたが、やっぱり本が今も好きです。

黄金仮面シリーズを布団で読んで枕元に本を置いて寝ると、表紙が怖すぎて
裏返すと裏表紙も怖くて、何回も表裏表裏とひっくり返す様子を見た父が、
何やってんだ早く寝ろとゲンコツが飛んできたり。
真夜中にどうしても続きが読みたくなって、布団の中にデスクライトを
持ち込んで見つからないように読んでいると、トイレに起きてきたおばあちゃんに
感づかれて、何やってんだ早く寝ろとゲンコツが飛んできたり。
毎回殴られてるんですけど(笑)。それでも読みたかったんですねぇ。

寝る前の読書は小さい頃からの習慣で、睡眠への導入剤にもなっています。
寝室で薄暗いデスクライトをつけて、今日も鬼平を読んだか読まないかで眠りにつきます。
まどろみの中であれ?どこまで読んだんだっけ?と行間を彷徨っていると、
いつの間にか目を閉じ、また目を開けた時に手に本があることに安心し、
何度も何度も行間と夢を行ったりきたりしてるうちに、いつの間にか深い眠りにつくのです。

昨晩は、夢の中で夫が電気を消して、私の手から本を外して枕元に置いてくれるのが見えました。
やはり、いつの間にか眠っていたようです。それでは皆さん、お休みなさい。
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by wazawazapan | 2011-02-27 21:36 | パン屋の休日


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