バゲット協奏曲
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パン屋を始める時に、大体粉1kgか500g単位でパンのレシピを作った。
1kg単位で作るとベーカーズパーセントがわかりやすくて、一々帳面を見なくても、
ベーカーズパーセントとして頭に叩き込まれていたから、1/2や2倍量にする時にとても重宝した。
だから、今でも私の頭に中にはそのレシピが叩き込まれてしまっている。

営業を重ねていく中で、パン生地を成形する際、パンの種類により生地を様々な量で
分割するのでどうしても余り生地が出来てしまい、それがロスになるのが気になった。
それで1kgだと○○パン何個というの焼くたびにメモし、オーブンで焼成できる量を考えて、
ぴったりに分割できて、焼成もスムーズにできるようにレシピを変更していったのだった。

こういうことはもしパン屋で働いた経験があったとしたら、
何の苦労もせずわかるごく当たり前のことだと思う。こんな当たり前なこときっと誰も口にしない。
一人でやっていると、こういう当たり前なことに気づくまで本当に時間がかかる。
思いついてしまえば何てことないこと、簡単なこと、繰り返すことでやっとわかること。
作業効率を上げることが、自分が楽をするためにも非常に大事なのだ。

こないだバゲットの粉を計量して生地作りをはじめた時に、何にも考えずにやっていたら、
勝手に体が動いて、できた生地はあれっ?1kgで仕込んでるじゃん。しょうがないなぁ~。
粉1kgでバゲットを作ってしまうと7.5本できてしまい、オーブンのスペースにも無駄ができるし、
具合が悪いのだけど、もうどうしようもなく仕方なく焼くことにしたのだった。

翌日、厨房に落ちていたバケットを拾って朝食で食べて、久々に縦割りしてみて驚いた。
気泡がまさに蜂の巣のようにボッコボコ。余っていたバゲットを持ってきて縦割りしてみると、
普通でいつもどおりである。はて、何ぞや、これは。としばし考え込んでしまった。

気泡ボッコボコのバゲットは以前から言っているけど好きではない。
あれはクラスト(皮)を楽しむ為のバゲットだから、食事として食べるには私には微妙なのだ。
そういうバゲットは大抵クラストを激しく焼きこむため、口も切れそうで優しくないし、
パンの内相も楽しみたいからやっぱり中身もあってほしい。
蜂の巣になると空気感ばかりで食べがいがない。
中間がいい、気泡もときどきあり、中ももっちり食べられる感じが好きなのである。

しかし、蜂の巣は蜂の巣で嬉しいのは事実である。
こんだけ気泡が入ったバゲットを焼いたのは初めてだ。
ニヤニヤして食べてると「どうしたの?」と娘に聞かれる。
「何でもない。」わかるまい、お前にはわかるまい。
蜂の巣は蜂の巣でうまいかもしれん。(←非常にいい加減な人間です。)

上記の2本のバゲットは全く同じ生地で全く同じ成形をし、全く同時に焼いている。
何故、ここまで違いがでたのだろう。答えはすぐに出た。グラム!だ。
分割の際に余った生地で焼いたバゲットがボコボコ。いつもどおりはいつもどおり。
成形は同じ。つまりは余り生地の方はいつもより細いのだ。
少ないグラムで同じ成形をしたため、細くなったのだった。

わかった。完璧にわかった。
蓄熱量の圧倒的に少ないオーブンで焼くためにした努力より、
熱の伝導をよくするために、単純に成形を細くすればよかったのだ。
く、くだらない!こんな単純なことさえもわからなかったのだ、このパンヤは!コンチキショウ!

明日だ、明日、証明してやる。じぇぇったい、あたりっ!

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で、焼いたのが上記写真のバゲット。
細くして熱伝導がよくなり、クープがめくれる。
気泡は…ごめん、わかんない。う、売れちゃって確認できませんです、スイマセンッ。
多分ぼこぼこではないと思う。2次発酵の時間が少し短かった可能性がある。
細くしたら勝手がつかめず、うまく見極めができなかったかもしれない。
難しいなぁ、パンは本当に難しい。先週焼いてたバゲットがコレで、
今週はこうなっちゃう。全く同じ配合で生地作りまでは全部一緒なのに。
全然違うパンになっちゃう。
だから、面白いんだけど、ねっ!(-_☆)キラーン

以上、1/21に書きました。

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by wazawazapan | 2011-01-26 08:14 | パン考


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