絡まる気持ち
今日はいつもにまして長文です。




もしも、人間が生まれた時に活動している時間が決められているならば、
私は長生きができないとなぁと、パンを捏ねながら思った。
もしかしたら、生き急いでる?

そう言えば去年の今頃は、信じられないことだけどまだ店舗も無く、
小諸のほんまち町屋館で出張販売していて、パンを売ることが新鮮で楽しい反面、
回数が重なるたび徹夜でパンを焼いて持っていくというのが辛くて辛くてたまらなくなって、
思い切って自宅を店舗するきっかけになったのだった。

自宅店舗をやりながら、青山のファーマーズマーケットに数ヶ月出店していた時にも
完徹が続き、生きるか死ぬかみたいな状態になって、もうこれでいいだろうと
いうところまでやってやめたのだった。

松本クラフトフェアは久々の大きな出店で、先の経験を活かして、
コバヤシさんと近所の奥さんに手伝ってもらって、1週間前から計画的に
仕込んでいったのだけど、結局パンは作りためができないため、
最後の数日はほとんど徹夜の状態で、また片足をどっかに突っ込んでパンを焼いて、
もう本当にこんなのはやめた方がいいと思ったのだった。

麦小舎さんのマルシェも、上記の反省を活かしたはずが限界まで焼いてしまい、
厨房の温度が40度近くまで上がり、危うく熱中症になりかけて、
最後の夜はもう焼けないと泣き出してしまう始末だった。

思えば、パン焼きには辛い思い出が付きまとう。
なんでこんなに辛い思いをして、パンを焼くのだろう?
パンを焼きながら自問自答を繰り返す。
もうやめようと何度も何度も考えながら、また行く。
今月末からは軽井沢のマルシェに定期的に出店することになっている。

私は真性のアホだと思う。

パン屋を始めてから、パン屋が信じられないくらいの重労働で、
典型的なブルーカラーであることに気づいた。
労働への対価が低いことはそれほど私にとって問題ではないのだが、
それなりの利益を出さなければ続けていくことはできないので、
それなりにはがんばらないといけない。

PCに向かって何十時間と働くのもシンドカッタけど、
パン屋で何日も連続して働くのは肉体労働の極限で、
まさに命を削って自分は働いているのだと思った。

自分が命を削って焼きあがったパンが、明日になれば跡形もなく消えてなくなると思ったとき、
言いようのない寂しさと、だからこそ重要である意味を同時に感じ、
この仕事の切なさとやりがいを同時に得たのは事実である。

先日も話したけれど、店舗の売り上げが非常に悪い。
常連さんは確実に増えているし、悪いことばかりではないのだが、
目に見えて下がってくると精神的にキツイのは確かだ。
そういえば去年の今頃も売り上げが坂道を下るように落ちていったなぁなんて、
少しだけの経験則で、慰められたりもする。
まぁこんな辺境の地でやっていけているのだから、
非常にうまくいっていると言ってもいいかもしれない。
コバヤシさんが手伝いにくる日数も週1日にしてもらって
最近はまた一人パン屋に戻りつつある。

店舗での売り上げの悪さをイベントに出店することで何とかカバーする。
もしかしたら、これも悪循環を作っている?とも思いつつ、
通販への架け橋になっているのも確かだし、
そこで初めて買ってくださった方がお店にきて下さり、
うまいこと循環しているなぁとも思う。

一人でゆっくり売れる分だけのパンを焼いて、
じっくりやればいいやという気持ちもある。

と同時に、買ってしまったオーブンを入れたいとか、
(あのオーブンお金だけ払って取り置きしたままです(汗))
もっとパンをスムーズに焼くための施設を増設したいとか
(今は3畳の厨房で焼いています)、色んなことが巡る。

末永くパン屋をやり続けるには、自分の体を労わりながら
できる限りのことだけをやりながらじっくり取り組むこと一番。
それ=施設の増設が必須となれば、先の「じっくりやればいいや」という気持ちとは
反対に長く続けるためにも、早めにこの悪条件の解決をと思ってしまうわけで、
相反する気持ちが格闘する。何度考えても1つの目的のために必ず矛盾が生じてしまう。

すると、流される。

イベントには店舗にはない爽快感があって、パンが売れるから嬉しくて嬉しくて、
色んな人に会えるからまた楽しくて楽しくて、先の苦労を全部忘れてしまう。
こうやって様々な場所に出て行くことで、「わざわざ」を知ってもらえたら嬉しい。

疲れている、重労働である。
そこそこやれればよい。
短時間で効率よく焼き上げたい。
体の負担を軽減したい。
施設の充足が必要である。
働かねばならない。
末永く続けたい。
やりたいことがたくさんある。

難しい、難しい。
難題である。

そして、また「どこどこ行きます!」となって
ヘトヘトになってもうやだ、もうやだとなって、
行くと楽しい!嬉しい!となって、はい、元に戻る。

アホですなぁ、私は。
しばらくはこの右往左往、見守ってください。

*軽井沢のマルシェへの出店が終わったら、
 今後イベントへの出店はしばらく休みます。
 足を運びたくなる店作りに専念して、確実においしいパンを作る努力をします。
 軽井沢マルシェの告知は後日致しますので少々お待ちください。

*今年も予定通り8月は1ヶ月休業します。 委託販売・通信販売も休業予定です。
 ご迷惑をお掛けいたしますがよろしくお願いいたします。
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by wazawazapan | 2010-06-16 14:17 | パン屋考


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