おいしい器 1
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お店のある東御市はほんの数年前まで北御牧村という村だった。
旧東部町と旧北御牧村の合併で東御市(とうみし)となったのだが、
旧北御牧村には二つの山があって、ウチが方が御牧原、もう一つの山は八重原。
どちらも小高い山の上が平地になっていて、遠くの山々が目に美しく、
外からの移住者が比較的多いことも頷ける。

八重原は作家の故水上勉先生が晩年過ごされた地でもあり、今でも水上先生の小屋があり
その周辺にかつてのお弟子さん達が住み、今でも創作活動を続けておられる。

そのお弟子さんの一人に陶芸家の角りわ子さんがいる。
角さんとの出会いは1年半前の東御のアートフェスティバルだった。
アートフェスティバルでは陶器市がある。器好きとしては見逃せないイベントだった。

朝一に出かけ、駆け足で会場に着き、早足で全ブースを回る。
とりあえず、ここもダメ、あそこもダメ、ぁあー所詮、田舎の陶器市こんなもんか・・・
と思った瞬間、すげぇ格違いのブースが現れる。角さんの陶器だった。

机の上に無造作に並べられた陶器たちが輝きを放っている。もう目が釘付け。
持つと薄くて軽い。繊細なデザインなのに持った感じがいかにも作家ものと言う雰囲気ではなく、
何だか日常に使ってこその、デザインされつつ使いやすそう。これってあんまりない。
作家モノと職人さんものの良いところを併せ持った感じで、ともかく凄く使いやすそう。
スタッキングできそうだし、もう、この軽さは衝撃。
そこで購入した食器は今も毎日活躍している。

帰ってから即効パンを仕込み、翌日、もう一度そこへ行き、パンを渡す。
素晴らしい陶器を売っていただいた御礼をたかだかパンで済まそうとしたのだった。

それから、角さんの工房を訪ねたり、角さんの個展に行ったり。
いつも思うけど、素晴らしい作品を作る人というのは本当に人柄も素晴らしいのだ。
話していることで心が安らぎ、様々なことを勉強させてもらえる。
心から出会えてよかったと思えるのだった。

今日は角さんの工房に遊びに行ってきた。
実はわざわざに角さんの器を置かせてもらえる約束が実現することになったのだ。
(パン屋に器を置く…変なパン屋だと断らない角さんが好き)

続く。
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by wazawazapan | 2010-02-08 13:40 | ストーリーのあるモノたち


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