失敗は成功の母
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あまりにも疲れて、もういいやと、ライ麦のカンパーニュの生地をなかったことにして、
見ないようにして冷蔵庫に放り込んだのが先週の土曜日。もう焼くのが嫌になってしまったのだった。

丸型のバヌトン(発酵型)を3つしか持ってなくて、パン屋と呼べるのかどうかは置いておいて、
ライ麦のカンパーニュは1ホールで焼くのがクラム(中身)とクラスト(皮)のバランスがよくて
おいしいから、ホールで焼きたいんだけど、型を持ってないから一度に3つしか焼けない。
だから3つをバヌトンで発酵させている間、残った生地は冷蔵庫で待機させておいて、
釜入れした後に、成形してもう3個焼く。買えばいいんだけど、買う時間もないんだ。
(ブログを書く時間は寝る間を削って作る・・、おしゃべりだからね!)

日曜日の夜、次の日の仕込みをやりながら、冷蔵庫を開けると、見ないようにしていた生地が、
とてもいい感じに発酵しているように見えたのだった。とりあえず成形してバヌトンに放り込み、
いつもの温泉に行く。

帰ってから焼いてみると、すっごくいい感じに焼けている。
翌日カットして食べるとおいしかったってわけ。

ライ麦のカンパーニュについては何度かブログに書いていて、割と工程も安定して好きな感じに
焼けていたのだけど、それより確実にうまかった。大きく変わった点は食感だった。
今回のカンパは1次発酵でトータル50時間以上眠っていたわけで、超長時間発酵。
低温で生地の発酵を抑えて時間をかけて発酵させることで食感がとても軽くなった。
今まではぎっちりと目の詰まった感じで仕上げていたのだけど、この断面図を見ると
小さな気泡が無数に開いていて、空気がパンに抱かれているのがよくわかる。

超長時間発酵で一番気になったのが、酸味の有無だが、全く出ていない。
ここは経験上、低温だから出なかったのだと思う。
理論的には何故低温だと酸味が出ないのかはわからない。でも低温だと出ない。
低温で発酵させても捏ね上げ温度が高いと酸味は出る。生地を一度でも熱くしてしまうと出るのだが、
この辺の理論的なことは今はわからない。(今にわかると思う)

これを販売するかと聞かれると辛い。何せ50時間、小さな冷蔵庫にカンパ生地をどっさり
眠らせているとなると、非常に効率が悪く、使い勝手や生産性が悪くなる。
でもこうした方がおいしいというのは実感できたのだから、それに近づける形で考えたい。

家庭の製パンとパン屋とは根本的にパンの焼き方が違う。毎日同じレベルのモノを
焼きたいという欲求は、家庭もパン屋も同じで目指しているモノは限りなく近い。
ただ、それを1個作るのと100個作るのでは、全然やり方も使う道具も違ってくるわけであって、
私の場合は家庭と大手ベーカリーの中間で、自分の手で全ての工程を管理して、
焼き上げる最大限の数と味を模索しているため、まぁ古いタイプのパン屋なのだが、
一定温度を保つためのドゥコンや大型のニーダーなんかは多分一生買わないと思う。
あくまでも自分の手の中でというのがやっぱいいと思ってる。今は。

気温や湿度を一定にして、一定のパンを焼こうとするより、気温や湿度が上下する中で、
一定のものを焼こうとした方が断然面白い。自分の記憶・食感そういう五感と、製パンの科学的な
知識を総動員して、一定になるように挑戦したい。それがパン屋としての最高の娯楽だから。
感覚で科学を司りたい。

おっと、興奮してきて話がそれました、スイマセン。。

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で、そのカンパ、昼に娘と食べました。
やっぱり発酵バターを塗って。その横に残り物の豆腐のマリネと
キャベツと卵とかオリーブオイルでサッと炒めたの。
「やっぱライ麦のカンパーニュおいしいよねぇ、野菜とよく合う」と3歳の娘、談(苦笑)。

追記:

コメントのお返し少しづつ始めてます。
お待たせしました、そして引き続き、お待たせしますがよろしくお願いします。
いつもありがとうございます^^
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by wazawazapan | 2009-12-23 08:03 | ライ麦パン


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