ねば塾を訪ねる
モノそれぞれにストーリーがある。
そんなモノを集めて、お店に置きたいと思っている。
たとえ売れなくてもいい、売れなかったら自分で買えばいい、自分が使いたいと思えるもの。
そういう基準でモノを選んでいるから、必然的に昔からの愛用品を置くことになる。

白雪の詩」を初めて使ったのはいつだっただろうか。
多分7年くらい前。東京から小諸へ引っ越してきた時辺りだと思う。
私は石鹸が好きで顔も体を洗うのもずっと石鹸を使ってきた。
デパートにあるような高級石鹸も使ってたこともあったし(若気の至り)、石鹸を見るたび衝動買いし
本当にありとあらゆる色々な石鹸を使ってきた。

この白雪を使ってからはベタ惚れしてしまい、それ以降この石鹸しかほぼ買っていない。
時々、釣られて他のを試してみるたび、白雪のよさを実感し、結局白雪に戻ってきた。
今は髪も体も汚れた靴下や布巾もなんでもかんでもこれで洗う。家族全員がそう。
そんなお気に入りの石鹸を作っている会社がねば塾



ねば塾が家からほど近い佐久市にあることは知っていた。
今日、ふと思い当たり電話して行くことにした。
前知識はねば塾は身体にハンディのある人達を雇って石鹸を作っているというただ一つ。
急に電話したのに快くどうぞと女性の方が言ってくださった。

娘とそこへ着くと、いろんな方が気軽にこんにちはと声をかけてくれる。
こんにちは、こんにちはと声を掛け合いながら事務所に着くと、
どうぞどうぞと椅子を勧められ、何だか誰なんだかよくわからないまま話が始まる。
パン屋のこととか御牧原のことだとか、石鹸の注文の面白い話とかポンポンと会話が弾む。
話をしているとどうも社長さんらしい。
社長さん、えらい気さくで、こっちもえらい気さくに話しかけてしまう。

工場まで案内してもらい、娘はクマだのジュースだのもらいご機嫌。何か楽しい。

ねば塾は30年前に作った会社で、当時は障害者が働いて生きていけるようなところもなく、
施設で勤めていた社長さんがそこの人々を連れて出て作った会社だということだ。
行政の補助を受けてやるのではなく、会社として利益を生み出しながら
障害者も健常者も共に働く場所。

「なぜ石鹸だったのですか?」と質問をしてみた。
環境にやさしい消耗品。と言う答えが返ってくる。
30年前は合成洗剤などでびわ湖や河川の汚染が広がってきた時で(ここで
びわこふきんと繋がった!)、環境を破壊しない石鹸のようなものがあればということ、
化学が好きだったということ。そんな一致で始めたということだった。

会社としてやっていくにはそれなりの利益が必要なわけで、この選択。
凄い着眼点、凄いセンス、尚且つ社会的にも素晴らしいことをしているわけで、
はだしに甚平だけど、このおっちゃん!すげぇや!と感激してしまう。

30年間経って、変わったことはなんだと思う?と聞かれる。
言葉に詰まると、30年経つと人は30歳、年をとるんだよと言う。
俺も年を取ったけど、あの子達も30年経つとおじさんになる。
親もポツポツあの世に旅立ち、せっかく仕事を覚えた子が通えなくなる。
それでアレをつくったんだと案内されたのはおおっきな宿泊施設。
一人一部屋で一人に一人のサポートがついて食事とかの面倒をみる。

そんな人がこの世の中にいるのかと思うと、涙がこぼれそうになった。
すげぇな、すげぇな、この世の中すげぇ人、いっぱいいるや!

ということで白雪はじめ、ねば塾商品入荷予定です。お楽しみに。
それからこの「~を訪ねる」をシリーズ化でちょこちょこ書きます。
実は色んなところへ訪ね歩いてます。
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by wazawazapan | 2009-09-14 14:16 | ストーリーのあるモノたち


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