酵母再考2
酵母をルヴァン酵母一本にしてから、ウチのパンの味に変化が出てきた。
以前はルヴァン酵母と甘酒酵母(麹から甘酒をつくり酵母を起こした)を併用していたのだが、
今はルヴァン酵母を2種類に発展させ、白い粉メインで繋ぎ続けたルヴァンと、ライ麦ベースで繋ぐ
ルヴァンの2本立てでパンを焼いている。



パンの味の変化がよかったり、悪かったりする。
酵母を変えてよかったなぁと思う点は、味の深みである。
ルヴァン酵母には奥行きがあり、日ごとに増す風味があったり、
焼き立てから生成りっぽい味というか、何か白ではない独特の風味がでる。
これは人によっては旨みより癖と感じられる場合があるかもしれないが、
ウチのメインで使っているTYPE ERとは相性がよく、甘みも出るし香ばしさも増した。
結果、主観だが、カンパーニュ類は以前より旨くなったと思う。

問題は風味の出したくないパンであった。
今、山食をストップしているのだが、この酵母だとどうしてもうまく焼けない。
白いパンを焼こうとすると少々無理が生じ、どうしても旨みより癖が出る。
難しい。以前の方が高さが出たし、いい意味で風味がでないのがこのパンには合っていた。

このルヴァン酵母をこれからどうやって変化させていくのかと同時に、
甘酒酵母、酒粕酵母もう一回試しに起こしてみたいと思う。
山食をまたそれで焼いてみたい。

パンに対する興味はつきない。だからブレるし、つまずき、行ったり来たりする。
以前はこの変化は悪い変化だと考えていたけど、今はそうも思わない。
開き直って申し訳ないが、味の変化も一緒に楽しんでいただけたらと思う。
変化なくして進歩なし、そんな風に思う、今は。
今はこんな味が美味しいと思います、曖昧なパン屋です。

(以上、2009/9/2に書きました)
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と、書いたのが18日前。
酵母の調子はあれからまた上向きになってきた。

店の営業が始まってから週末には20キロ以上の小麦粉でパンを焼くようになった。
(ただ20キロ仕込んでも全てを売り切ることはまだできないのだが。。)
シャバ、店、通販の3本立てでメインは店だけど、仕込みの量が段々増えてきて
パン屋になったなぁとしみじみ思う。

週末に焼成が集中してきたこともあって酵母の様子にも変化が出てきた。
週末にある程度使い切って残った酵母を1週間で繋ぎを続けもとの量にまで戻す。
そんなことを繰り返していくうちに酵母がリフレッシュされ、元気が出てきた。
風味は薄れるのではないかと思っていたが、そうでもなく、ある程度風味を保ったまま
発酵力が強いという、結構、いい感じのルヴァン酵母になってきた。
ご飯みたいなカンパーニュに関しては、味がかなり1ヶ月前と変わってきた。
あれはシンプルな配合だからバゲットと同じく、本当にその時々の調子が反映される。

自家製酵母の管理は、色々な方法が本やネットで書かれているが、
結局のところ、自分が出したい風味、発酵力を酵母のつなぎ方で調整できるという話だと思う。
だから人それぞれの好みの味にする為の方法が違うということ。

基本は2点。
・軽い仕上げ、薄い風味、強い発酵力は繋ぎのスパンは早く、
 繋ぐ時の粉量は多く。白い粉メインで繋ぐ。
・どっしりした食感、濃い風味、酸味がある、弱い発酵は、スパンを遅く、
 繋ぎの粉量を少なく。茶色い粉メイン

好みはあるにせよ、強い酸味が出るパンは酵母の酸化によって酸味が出るのであって、
私はあまり好みでない。
逆に風味が軽すぎるのはつまらないと感じる時もあるし、その辺が気分ということになり、
まぁシェフの気まぐれサラダと言ったところだ。

まず酵母を起こしてみるのが第一歩。
できたらシメシメ、この後の管理で生かすも殺すもあなた次第。

繋ぎ続けると不平不満が出てくるのも酵母ちゃんの特性で、つなぎ続けるとあまり具合が
よくない酵母ちゃんもいる。その辺はまた次回に。
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by wazawazapan | 2009-09-20 02:44 | パン考


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