バゲット合わせ
おしゃべりである。
人に話したいことがたくさんあるのに、中々友人を見つけられない人間である。
大抵は夫に、少しだけの友人に話すのだが、パンのことなど話す相手もない。
だから書くと湯水のようにしゃべり出すのである。

何のパンを作るのが一番楽しいかと聞かれたら、迷わずバゲットと答える。
店の時、大体粉量で20種類10キロ分ほどのパンを仕込むのだが、始めのうちは工程管理が難しく
スムーズに仕込み・発酵・成形・焼成を完了することができなかった。
特に難しいのが2次発酵から焼成のパートで、パン達が勝手に自分の想像と違う発酵をしていくので、
一度に焼成のタイミングが来てしまい、結局ベストの発酵具合でオーブンに入れることができずダメパンを量産した。今は大分慣れ、発酵時間を見ながら冷蔵庫や発酵器に入れたりしながらご機嫌伺いしてできるようになってきたのだが。

そして、そんな時はバゲットを優先していた。リッチなパンは多少の差し引きを許してくれるのに対し、バゲット、こいつは厳しいやつだ。数分の間違えも許さない。ベストの生地、ベストの発酵、ベストの焼成、ベストの中のベスト!じゃないとこの人、満足しない。うまく焼けない。

うちのパンを焼くとき、この人だけの言うことは全部いいなり。他のパンをこの人に合わせる。
通称バゲット合わせと言う。バゲット合わせにすると工程がうまく回ってくるから面白い。

バゲットをオーブンの中に入れた後は必ずオーブン前に張り付いてしまう。念仏を連呼しながらバゲットの焼成をする。大体バゲットは朝7時くらいに焼いているのだが、家族も起床してくると、ただならぬ緊張に包まれた厨房の雰囲気を察し、そこは異様な雰囲気になる。
そして、「弾けろ、はじけろ、ナンマイダー!」このフレーズ家族全員で連呼です、アホ家族。
その後、うまく焼けると娘がバゲットを天にかざし、バゲットを突き上げバゲット踊りを舞う、そして食べて何事もなかったように一日が始まる。

話はそれたが、とにかく、バゲットを焼くのが一番好きだし、緊張する。オーブンから出てくる時が一番楽しくてがっかりしたり、一喜一憂する。パン屋としての満足感がある程度得られるのは満足するバゲットを焼ける日が来た時かもしれない。いつの日かはわからないが、その日がとても楽しみだ。


さて、明日のバゲットの様子、見に来ませんか?
ダメパンにして店頭に並んでないなんてこと無いようがんばります。
明日はわざわざの日です、天気があまりよくないようですね。寒いみたいです。
でもいつもどおり仕込みました。久々の大量余し、やってしまうのか、どうなのか。
皆さんとお会いできること楽しみにしております!
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by wazawazapan | 2009-05-15 15:49 | パン考


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