オーブンのこと
ウチのパンが今後、飛躍的においしくなるということがあるのなら、それはオーブンを変えたと思ってもらっていいと思う。

おいしいパンを作るには、生地作り・発酵・焼成の3拍子が揃わなければいけないわけで、どれがかけてもいけないのだが、オーブンに入る直前のパン作りまでは完璧だったとしても、焼きが悪くてどうしようもなくなるということが多々ある。
と、いうのは言い過ぎで、焼きまでの過程がそれなりにできていれば、食べられるレベルのモノは焼けると思うが、最終的な食感なんかを作っていくためには相当大事。

これが昔あまり理解できていなくて、ついオーブンに入れると一安心し、出来上がりを見てオロオロということがよくあった。今はオーブン前に張り付いて念仏を唱えながら見るというのが習慣なので大丈夫。

パン屋をやると決めてからリサイクルの厨房機器屋にしつこいほど通って、プロのおばさん(この人がやり手で品番を言うと機能をソラで教えてくれる凄い人)に相談しつつ、1年半かけて中古機器を集めてもらったのだが、まさかオーブンにこんな落とし穴があるとは思わなかった。
パン用のオーブンの物凄いのは値段も物凄いので買えるはずもなく、業務用である程度の大きさがあり一度に焼ける分量がそれなりのもので、ガス、というのに絞って選んだのが今のオーブン。コンベンションオーブンということで熱が全部を回るので均一に焼けますというのが謳い文句だった。この熱が均一に回るというのが相当ポイント高かったんだけど、熱の回し方に相当の問題があったわけで。

とにかく風が強い。
新居と一緒で風が強い。
小型のパンが風で飛ばされて墜落し黒こげになるほど風が強い。
(この時はアホか!ってオーブンを罵倒)

ガスで空気を暖めてそれをファンで回してオーブン庫内の熱を均一にしているらしく、ブオーンって風が出てきてパンに当たる。やわらかいパン(食パン系)にはそれほどその風は影響しないのだが、ハード系は乾燥を嫌うのでもろ出来を左右される。
オーブンを買ってから半月くらいはこいつとの戦いで、それまで家庭用オーブンでうまく焼けていたパンたちが焼けず本当に苦労した。今は何とか工夫してそれなりに焼けるようになったのだが、まだ納得はしていない。

パン屋の開店準備ができてフライヤーを作っておばちゃんのとこに持って言ったら、「あら、これフランスパンよねぇ、あのオーブンで焼いたの?」なんて言う。だから~ハード系焼くって言ってたじゃん!「へぇー工夫すれば焼けるのねぇ、あれじゃ普通は焼けないのよ」なんて言う。。。。
でも、今は感謝してる。このオーブンでの苦労がきっといつか生きてくる。簡単に焼けてたら多分面白くも無い、ハードルがあるから燃える、苦労は人をデカくする。

しかし、コイツラ(このパン)を物凄いので焼いたらどうなるんだろうと時々頭をかすめる。
石釜かぁ、やっぱパンは石釜だよなぁ・・・。
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by wazawazapan | 2009-04-29 07:35 | パン考


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